2009年12月16日水曜日

SIerが儲からなくなってきている

おもしろい報告書を見つけたのでお知らせします。

SIerとクラウドの付き合い方

一方的にゼネコンSIerが悪いと言われていますが、ユーザー企業の方にも問題があります。

ユーザー企業は、自前でシステムを作れないため、SIerに発注をしシステムを作ります。その為、技術の空洞化が起きて保守費でボッタクられます。
※「1円落札」これは、最初は1円だがその後に痛い思いをする契約です。

一方、ゼネコンSIerはその名の通り、システムを一括で請け負い更に下請けに発注をします。この下請の連鎖が5重になるケースも珍しくなく、多重請負といい上流のシステム会社はマージンを抜く作業で利益を出しています。

これが、日本の現状です。


一応クラウドについて、一般論をお話します。

クラウドには、2種類あります。
PaaS
アプリケーションを稼働させる環境をインターネット経由で提供すること。
この技術が新しい!
私はGoogle App Engineを今、やっていますがよく分かりません。
簡単なシステムは作れるんだが、とにかく時間が掛かります。

SaaS
アプリケーションをインターネット経由で提供すること。

はっきり言ってSaasは、システムのアウトソーシングである。
新しい技術ではなく、名前が新しくなっただけ。オンラインゲームのようなビジネスって覚えてもらっても良いぐらいです。


どうして、SIerがクラウドの普及に伴い、儲からなくなってきているというと、今までやってこなかったから。
SIerは上客を見つけると、かなり楽なビジネスができたため、海外のIT企業のようなサービスはする必要がなかったからです。
日本は、客の要望が強すぎると言われますが、無駄な要求が多く結局、SIerのほうが立場は強いです。日本の大手のSIerは、同じようなビジネスモデルなので、他に発注しても変わらないというのが今まででした。

自前でシステムを作れないという弱みをみせたら誰でもそこにつけこんできます。


世界的には、クラウドは流行りそうです。システムをアウトソーシングする流れになると思います。
日本は反発しない方が良いと思います。
※流れに逆らわない。これ武道の極意なり。
「メールシステムを自前で確保したい」と誰も思わないでしょう。メールシステムはどこの企業も同じような設計なので、頑張る必要がありません。

Google Appsのメール ボックスの容量が25GB(自社システムだとで多くても4GBぐらい)あります。これが、年間60ドルで利用出きます。さらに、Google Appsはメール以外にスケジューラーや、社内ポータルサイトも簡単に作れます。

なのでクラウドが流行ると、SIerはクラウドビジネスを展開している企業にあいのりをする必要があるため、利益が少なくなります。

ちなみに、エコポイントのシステムは1ヶ月で作ったらしい。
多重請負のゼネコンSIerだと、契約処理だけで1ヶ月以上掛かります。

「安い・早い・うまい」を目指しましょう!

ゼネコンSIerの解体が行われると、日本のIT業界もイノベーションが加速する可能性があります。
というか、日本のIT業界だけ特殊な構造になりすぎています。
せめて、プログラムぐらいはできましょうよ。
受発注処理が得意な人が、この業界の中心ではないですよ。

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